車検におけるマフラーの騒音規制はどのくらい?測定方法なども紹介

車検におけるマフラーの騒音規制はどのくらい?測定方法なども紹介

車検の際に注意すべきことのひとつとして、騒音規制があります。取り付けるマフラーによっては、騒音規制に違反しているものもあるからです。

ここでは、車検における騒音規制の概要やマフラーを交換するときに気をつけておくべきことについてまとめました。車の車検を控えている方は、ぜひ参考にしてください。

2020年3月時点における騒音規制

自動車における騒音規制は、昭和50年に制定された「自動車騒音の大きさの許容限度」が基になっています。また、平成14年には、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」も制定されており、これによって自動車の騒音の上限が定められています。

2020年3月時点での、新車に関する騒音規制は以下のとおりです。

車種 騒音の上限
乗合車、貨物車(車両総重量が3.5t超、最高出力が150kW超) 94db
乗合車、貨物車(車両総重量が3.5t超、最高出力が150kW以下) 93db
乗合車、貨物車(車両総重量が3.5t以下) 92db
車両後部にエンジンを有する乗用車 95db
車両後部にエンジンを有するもの以外の乗用車 91db

上記の表からもわかるとおり、乗用車に関しては、サイズにかかわりなく、リアにエンジンを搭載した車で95bd、それ以外の車で91dbと定められています。

また、マフラーの交換を行った車については、新車時の近接排気騒音に5dB を加えた値以下であることが義務付けられています。サイズにかかわりなく、リアエンジンを搭載した車で100db、それ以外の車は96dbと定められるようになりました。

注意すべきこととして、取り換えたマフラーの騒音規制は、新車時の近接排気騒音に基づいていることです。車検証に記載されている近接排気騒音が87dbとなっている場合は、92dbが上限となるので注意が必要です。

古い年式の車についての騒音規制

上記の騒音規制は、平成28年以降の車に適用されます。つまり、古い形式の車については、以前の上限が適用されるので覚えておきましょう。

平成10、11年の騒音規制が適用される車

平成10、11年の騒音規制が適用される車は、普通乗用車で96db、軽乗用車で97dbが上限となっています。

平成元年の騒音規制が適用される車

平成元年の騒音規制が適用される車は、車種によっても異なりますが、96~103dbが上限となっています。

95dbとはどのくらいの騒音?

95dbとはどの程度の騒音なのでしょうか。騒音の目安は以下の通りです。

騒音の大きさ 具体的な例
120db 飛行機の音、近くの落雷
110db 自動車のクラクション
100db 地下鉄の構内、ガード下で電車が通るとき
90db カラオケ店内、犬の鳴き声
80db パチンコ店内、水洗便所
70db セミの鳴き声、騒々ししい事務所の中

上記の例でも分かるように、100dbの場合、相当大きな音がします。それ以上の音のするマフラーを装着すると、かなりの騒音になるでしょう。

車検時での騒音の測定方法

騒音の指標値には、時速50kmまで急加速させたときの騒音値を測定する「加速走行騒音」、時速50kmで走行しているときの騒音値を測定する「定常走行騒音」、マフラーの騒音を測定する「近接排気騒音」の3種類があります。車検では、近接排気騒音のみチェックがなされ、そのほかの騒音についての検査はありません。

近接排気騒音の測定方法

測定方法は、マフラーの出口部分から45度の角度で、50cm離れたところに計測器を置きます。その後、停車状態の車を最高出力回転数の75%までエンジンを回して5秒間保持します。そのときの、最大値を測定値とします。

測定値については、上記の騒音規定に違反していない数値なら合格です。

サイレンサーを装着すれば車検に通る?

車検を受ける人の中には、サイレンサーをマフラーに取り付ける人もいます。サイレンサーとは、マフラーから出排気音を下げるアイテムのことです。騒音規定を超えてはいても、サイレンサーを取り付けることで、測定値を下げることが可能です。

サイレンサーを設置して車検を受ける場合には、取り付け方に注意しましょう。ネジで止めるだけのタイプや着脱可能のタイプについては、車検に通りません。また、ボルトで固定している場合でも、検査員の判断によっては、不許可となる場合があります。溶接などをして外れない状態にしましょう。

劣化にも注意

マフラーは、時間が経過すると劣化して穴が空くことがあります。穴が空いてしまうと、排気音が漏れやすく、通常の状態よりも騒音が激しくなるので注意しましょう。

騒音規定を守ったマフラーを取り付けているものの、穴から漏れた音が原因で車検に通らないケースがあります。そのため、車検の前にはマフラーの状態をチェックしておきましょう。

まとめ

騒音規制は、年式によって適用される基準が異なります。平成28年以降の車については、リアにエンジンを搭載した車で95bd、それ以外の車で91dbと定められています。マフラーを交換するときには、騒音規定を順守したモデルかチェックしておきましょう。

「株式会社多摩自輌」では、車検整備やメンテナンスを承っています。年間1,500台以上の整備や修理の実績があり、お客様の悩みをすぐに解決できる強みを持っています。

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